生成AI向け半導体の生産に最適な装置「YPM1250-EPQ」を開発

2023年9月26日

 

   TOWA株式会社は、生成AI向け半導体の生産に最適な半導体モールディング装置「YPM1250-EPQ」の開発を完了し、製品化いたしましたのでお知らせいたします。
 

1.開発の背景
   生成AIの普及などにともない、サーバー/高速ネットワーキングやHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)、自動運転車システムで使用される、膨大なデータを高速で処理する高性能なAI半導体モジュールの需要が増加しています。一方で、半導体の更なる高機能化・高性能化により、チップの微細化が進んでいますが、コスト面や生産性、品質面の課題から微細化技術には制約があり、半導体の更なる進化の足枷になっていました。
   このようなチップを生産する前工程の制約を、後工程の技術を用いて解決できないかという半導体メーカーの要望を受け、当社で研究開発を重ねた結果、前工程の課題を解決出来るチップレット(2.5Dおよび3Dパッケージング手法)製品に対応した新たなモールディング技術(レジンフローコントロール方式)を開発し、レジンフローコントロール方式を採用した大量生産用半導体モールディング装置「YPM1250-EPQ」を製品化いたしました。YPM1250-EPQは、チップレット製品に対応した業界初の装置で、今後ますます拡大が見込まれるチップレット製品の需要に応えることが可能です。
2.新製品の特長
(1) 生成AI向け、高機能AIパッケージ(チップレット製品)に対応
高度なモールディング技術により、従来の技術では難易度が高いサイズの大型パッケージにも対応。生成AI向け、高機能AI向け半導体のチップサイズが大きいチップレット製品に最適です。
(2) 生産性の向上
大型プレスの採用と、大容量樹脂を高い精度でコントロール出来るTOWA独自の技術により、当社既存機種と比較し最大3倍の生産性向上が期待出来ます。
3.生成AI向けメモリ半導体とTOWA独自のコンプレッション技術について
   生成AI向け半導体などのチップレット製品で、必ず使用される超広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)は複数のチップが積層された構造ですが、チップ間の非常に狭い積層空間に樹脂を均一に充填させる技術が必要です。特に最先端のHBMは、これまで以上に高い樹脂充填技術が求められており、この課題を解決できる当社のコンプレッション装置「CPM1080」が、今話題となっている生成AI向けHBMの業界初の量産装置として生産採用されています。今後、生成AI向け半導体など、チップレット製品の増加にともないHBMの需要が増えると予想され、当社コンプレッション装置の需要も拡大が見込まれます。
4.引き合い状況について
   YPM1250-EPQについては、大手半導体メーカーから引き合いがあり、2024年3月期中の受注を予定しています。また、HBM向けのコンプレッション装置「CPM1080」については、既にお客様の工場で量産設備としてご利用頂いており、2024年3月期の後半から年間10~20台の売上を見込んでおります。
5.2024年3月期業績への影響について
   YPM1250-EPQ及びHBM向けCPM1080の需要拡大については、現時点では2024年3月期の後半を見込んでおり、今期連結業績への影響は軽微です。今後開示すべき事項が発生しましたら速やかにお知らせいたします。

 

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以上